本場奄美大島紬

珊瑚がゆらめく
南島の楽園
そこには不思議な絹織物がある
泥染大島紬
シルクロードのはるか彼方から
研ぎすまされ、神秘を秘めながら
千三百有余年
風のように軽く
大地のように暖かく
きらめく日差しのように
美しい気品をただよわせた
絹の浪漫よ・・・・・
大島紬

 奄美市では1月5日を”紬の日”としてイベントを開催しています。
 

紬が作られるまで。

糸巻 【締機】(しめばた)
本場奄美大島紬の特徴は、精巧な絣の美にあります。他の産地では、手くくりや板締で絣糸をつくりますが、奄美では、この締機を用いて、仮織をして絣糸をつくります。経糸の綿糸で、図案に合わせながら絹糸を強く締めます。これできれいな絣ができあがるのです。

【染め】
本場奄美大島紬の染色は、テーチ木染めと泥染めの繰返しです。

テーチ木染め
まずテーチ木(車輪梅)の幹と根を小さく割り、大きな釜で約十四時間煎じます。こうして出来た茶褐色の液汁で糸や絣莚(むしろ)を染めます。およそ数十回も繰り返して染めるうち、テーチ木のタンニン酸によって糸はしだいに赤褐色に変っていきます。
泥染め
泥染め
テーチ木の液汁で二十回ほど染められた糸や絣莚は、泥田で三〜四回泥染めをします。次にまた、テーチ木で二十回以上染めて、また、泥田で染めるという繰返しでテーチ木のタンニン酸と泥の鉄分とが化合して、糸はやわらかくこなされ、決して化学染料では合成し得ない独特の渋い黒の色調に染めあがるのです。

織り 【織り】
本場奄美大島紬は高機を用い、すべて手織りです。およそ七センチ程織っては、経絣のズレを一本一本たんねんに針で絣にあわせてゆきます。針をあやつる指先が手品師のように動く。すると、不鮮明だった模様がみるみるくっきりと浮きだしてくるのです。


●着つけのアイディア

フォーマルなきものと違って、紬は気楽に、自分の好みの著つけをしましょ う。着丈も床より3〜4センチ短かめに着てかまいません。むしろ、床すれすれに着つけたのでは、重々しく見えて、紬のもつ良さがなくなってしまいます。着くずれしないということは特色の一つですが、着つけてゆく段階で「前合せ」「衿合せ」「身八つ口」と一か所ずつ、ていねいに着つけることです。
帯もやわらかい表情に結びます。街着や族行着として装う時は、帯地を使わ ず、太鼓結びをしたり、角出しに結んだりします。帯板もかたい大きなもの を使う必要はありません。家庭着、旅行着として装う時は、やわらかいボー ル紙を使うと苦しくありません。

●こんなときは?

仕立てる前にかるく湯通ししておきます。特に、藍大島は湯通ししておくと色止めにもなります。湯通しは家庭でもできますが、専門家に依頼すると良いでしょう。泥大島は酸に弱いので、酢、果汁、汗などは用心して下さい。 もし、果汁などついたら、きつくしぼったぬれタオルで充分たたき落して酸分をとっておくことです。充分おとしてから掌の両手の体温で乾かします。 衿の汚れなどは揮発油やベンジン、アルカリ性油脂などは使えません。
洗濯、洗張などは、バケツいっぱいの冷水に大さじいっぱいの圭酸ソーダを入れて、かるくもみ洗いをしますと、絣くずれや変色もしません。
中性洗剤の溶液で洗うこともできますが、洗剤が布地に残るとよくないのでこれも専門家にまかせた方が良いでしよう。

●本場大島紬あれこれ

糸繰り
泥大島
伝統的なテーチ木泥染法で染色した糸によって織りあげられた高級な紬をいいます。泥染ならではの渋い光沢をはなち、黒地に薄茶色がかった白餅で柄模様を表わしています。
泥藍大島
植物藍で先染した糸を織締加工の絣莚とし、これをテーチ木泥染法により染色したものをいいます。地色が泥染特有の渋い黒地になり、絣部分は藍色で表われます。
色大島
化学染料により、色絣模様に染色したもので、地色、絣模様とも自由に配色がなされています。
藍大島
植物藍のみで染色したもので、現在はあまり生産されていません。
草木染大島
テーチ木、藍以外の草木等を染料にしたもので、少量つくられています。
男物、女物
男物は泥染、藍染の単色使いで亀甲などの小柄が多く、女物は多色使いのものが多く、小柄は少ないのです。
算(経糸の密度)
経糸の密度の単位を算(よみ)といいます。縫糸80本が1算で、13算、15.5算が主ですが、特殊品として18算の製品もあります。 15.5算の場合は筬幅(おさはば)約4cmの間に、1,240本(80本×15.5)の経糸が掛かかっていることになります。経糸の密度が高くなれば緯糸の打ち込み密度も高くなります。
マルキ(絣糸の密度)
経絣糸の本数を表わす単位をマルキといいます。経絣糸80本が1マルキで、9.6マルキ、7.2マルキ、6.0マルキ、5.8マルキなどが主です。9.6マルキの紬は経絣糸が768本(80本×9.6)入っていることになります。経絣糸の本数が多いほど、経と緯の絣合わせが難しく、精巧な絣となり、高級品となるのです。

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